ことば

COLUMN

ハモニカの味 第4回「オッチャン、はしゃぐ」

ライヴの興奮が、収まらないうちにこの原稿を書いている。落ち着け、大杉!

三年前から、故郷・徳島県小松島市でトークを交えた上映会をやらせていただいている。今年は、北野武監督作品『HANA-BI』を上映した。

昔は、どんな小さい町にも映画館はあった。小松島にも三軒の映画館があったのだが、今は跡形もなくなっている。だからこそ、地方でなかなか観ることの出来ない映画を多くの方に触れていただきたいと思いついたことなのだ。今ではみなさんが、年に一回のこの催しを心から楽しんでくださっている。日本の片隅のささやかな上映会だけど、ぼくにとっては大切な企画なのだ。

しかし、今年はなんだか大変なことになってしまった。上映会の後、ライヴをやることになったのだ。地元のパーソナリティー・岡本和夫さんに電話をかけた時のひと言「和夫さん、ちょっと遊びましょうよ」が、こんなに大きなことになるなんて……。

当初は、岡本さん率いる〈KAZ BAND〉と軽くスタジオで遊んでいただくつもりだったのが、どうせ遊ぶならライヴをやってしまおうということになり、会場も普通のライヴハウスではなく、今は廃港になってしまった旧南海フェリーターミナルビルをお借りして、そこをぼくたちの〈遊び場〉にしてしまったのだ。チケットも発売し、なんとソールドアウト!になってしまった。ボランティアで多くの友人・知人の協力もいただいた。ちょっとした〈お祭り状態〉……ね! おおごとでしょ。

昼間の上映会も楽しいひとときだったが、そのまま夜のライヴに流れてくださるお客さんもたくさんいた。大きな告知をしなかったにもかかわらず、関西や東京、そして沖縄からもファンの方が駆けつけてくれたのだ。ほんとに感謝だ!

三年前の映画のイベントでは、ぼくには出来る曲が一曲しかなかったのだが、今回は〈KAZ BAND〉の強力なサポートを受け、七曲までなんとか出来るようになった。そのすべてが、七〇年代フォーク。そして、最後に即興で「夢は夜ひらく・阿波踊りバージョン」というお客さんと踊り狂う曲もやった。

さてライヴだが、遊びゆえかどうか……楽しかったのなんのの大盛り上がり!

途中、東京でもやらせていただいている〈抱擁会〉(注:お客さんと抱き合うことを意味する)の時なんぞ、観客パワー炸裂! なかにはドサクサにまぐれてキスしてくるわ、お尻をもむわ……もう大騒ぎ! 老若男女を問わず、踊る踊る。「踊るアホに見るアホ、おなじアホなら踊りゃなソンソン」……徳島人には、陽気なラテンの血が流れていることをあらためて思い知らされた祭りの夜だった。

ライヴ後、控室につんのめるように倒れこんだ。窓を開けると海があった。三十二年前、ぼくはこの港から東京に出発した。今は廃港になってしまったこの港に船が着くことはない。〈ボクハドコニイキタイノデスカ〉……すべての方に深謝なのだ!!

 

・「音楽と人」2001年9月号掲載